KABANEGOのブログ

日常の出来事を書いて行きます

やけどの話

短編オリジナル小説「やけど」

 

ふと思い出すことがある。その度、この火傷も酷く痛む気がしている。

あれは、小学生の時だった。子供だけで安くディズニーに行けるというツアーがあり、友達と参加した。無作為にチーム分けがされており、バスに乗った時にチームごとに座った。私は何を考えてたのだろう。ふいに、ひとりぼっちで座る参加者を見つけた。なぜか、隣に座ったのだ。今考えると、友達からするとたまったもんじゃないだろう。だが、そのひとりぼっちの女の子はとても嬉しそうで色々お話した。

ホテルに泊まったのだか、3人部屋で友達とその子と夜中も寝ないでお話したり、枕投げをしたり。朝、全員起きられなくて、ツアーの人にこっぴどく怒られた。

あっという間の帰りの時間。またね、といい別れた。あの子の悲しそうな顔が忘れられない。

ひとりぼっちの謎の女の子。また遊ぼうと言う約束。守る事はなかった。お手紙も君に会いたいと来ていた。会いに行けばよかったのに、ごめんね。

一緒にバレーボール部に入ろうと言った。その子はバスケ一筋だったのに無責任な事を言ってしまった。違う学校だったが、その子もバレーボール部に入っていた。大会であった時も、よそよそしい態度しか取れなくて。私は最低だ。と思った。その日の試合では10本連続でアタックを外した。その時転んで腕に出来た火傷の後は今でも残っている。

後から聞くと、その子は親が離婚して、おばあさんの家に引き取られて慣れない土地と環境に上手く言ってなかったそうだ。

幸せになっていて欲しい。それだけを祈るだけ。もしも、街で見かけたら、あなたの幸せな笑顔を気づかれないように、こっそり見つめていたい。


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https://youtu.be/yVSM8irUfEw